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「自分との約束を守る」それが強さの原点_南国超人



南国超人

1984年
鹿児島県大島郡喜界町
喜界町立坂嶺小学校
喜界町立第一中学
鹿児島情報高等学校
大阪商業大学
格闘家南国超人
 

Q. キックボクシングはいつから始められたんですか?

19才の時です。地元(鹿児島県喜界島)から大学進学のために出てきて、そのまま。通い始めたジムがシュートボクシングジムだったのがきっかけですね。


Q.それまではスポーツは何かされていたんですか?

小・中・高は、野球をしていました。
実は、高校の時は野球の特待生でした。


Q.特待生?!すごいですね!それだけしっかり野球を続けてこられて、キックボクシングを始められたのはどうしてですか?

当時、人気だった「K-1」が大好きで。テレビを見ながら「格闘技やりたい!」とずっと思っていたんです。


Q.K-1の選手で憧れていた方は?

うーん、憧れというか、当時から「この人達を倒したい!」っていう気持ちでしたね。


Q.その時からもう、“ライバル目線”で(笑)

そうですね。「K-1に出たい」「倒したい」一心でしたね。あと、格闘技を始めたのは、中高の野球生活で、体を上手く使えてないっていう感覚っていうか…「もっとできるはずなのに」っていう感覚があって格闘技は個人種目なので、「自分の力を試したい」っていうのもありましたね。


Q.大学3年生の時に、プロデビューされたんですよね?格闘技を始めて2年でプロデビュー!しかも在学中のデビュー!すごいことですよね!

ありがとうございます。そうですね、2年でプロデビューできたのは、自分の階級(ヘビー級)には、当時、まだ日本人選手が少なくて…結果の出しやすい環境だったっていうのも、あったかもしれません(笑)


Q.いやいや!そんな謙遜はおっしゃらずに…「プロデビュー」誰でもできることじゃないです。デビュー戦のことは覚えてらっしゃいますか?

めちゃめちゃ緊張しました…しんどくて、後半でバテてしまったんです。それでもなんとか、デビュー戦は3R判定で初勝利できました。でも、2戦目で負けてしまったんですよ。


Q. 初黒星…どんな風に感じられましたか?

とにかく悔しかったですね。
悔しくて悔しくて、そこから必死に練習を重ねて、3戦目からは9連勝!


Q.すごい!練習の成果が結果に結びついたんですね。

コツコツコツコツ練習を重ねるのが、自分のスタイルなんです。これは、野球の時からもずっと変わらないことですね。地元の同級生(野球仲間)にも「練習量はお前が一番だったよな」と今でも言われますね。でも、9連勝の後は、外国人選手と当たることも多くなって、また黒星が続くようになってしまって…その頃、ちょうど25才になったくらいだったんですけど、周りも結婚したり、仕事バリバリしていたり、そんな雰囲気で。自分の中で「このままでいいんかな?」と疑問が湧いてきたり、不安が大きくなってしまって、実は、一度、格闘技を辞めて、就職したんです。


Q.えぇ!せっかくプロになったのに!

そうですね。でもその時は、それだけ不安の方が大きかったんです。それで、体を活かせる仕事を…ということで、消防士になりました。


Q.消防士!公務員さんだったんですね!

はい、公務員をしていました(笑)中高は野球、大学は格闘技ばっかりだったんで、勉強とか何もしてなくて…初めて予備校に通いましたね(笑)頑張って勉強しました。消防士になったものの、格闘技への想いが忘れられなくて…悔しい終わり方をしてしまったので、また想いが湧いてきてしまったんですね。それで、許可をもらって、格闘技に復帰しました。
 

Q.もしかして、この時が「南国超人」の誕生の瞬間ですか?

そうですね。リングネームも「南国超人」に変えて、心機一転、またスタートしました。


Q.復帰してからはどうでしたか?

復帰してからは、おかげさまで、12連勝しました。ただ「勝ち」を重ねることで、だんだん目立ってきちゃって。やっぱり公務員なので、両方続けることが難しくなり、結局、28才の時に、また格闘技に専念することに決めました。


Q.一度は辞めてしまった格闘技。「復帰」の決断を後押したものは、何だったんですか?

やっぱり、家族の存在ですね。その時はもう結婚していたんですけど、一番身近な家族が応援してくれたこと。それから、信頼している知人が、「お前はここで終わる男じゃない!」みたいに言ってくれたことも大きかったです。今も、そうなんですけど、自分が好きで始めた格闘技を、応援してくれる方がどんどん増えて。本当にありがたいです。その声にいつも励まされています。あとは、「好きなことして人生頑張りたい」っていう想いですね。自分の中で、どうしても譲れないことのひとつです。


Q.「好きなことして人生頑張りたい」そう思いながら、頑張れない人もたくさんいるかと思います…。

そうですね。好きなことがすぐに見つかる人もいれば、40才になって、80才になって見つかる人もいますよね。やりたいことがないとか、自信がないとか、僕もよく相談を受けるんです。そういう方に大事にしてもらいたいのが、「自分との約束」です。なんでもいいんです、日常の小さなこと、僕なら、腹筋を1日1000回するとか、雨が降っても走るとか、そういうことなんですけど、そういう「自分との約束」をつくってもらって、それを「続けて」ほしいんです。その「続ける」ことが「自分の軸」になって、「ぶれない心」をつくってくれると思うんですよね。


Q.「これだけはやる」って、自分で決めるってことですね。

はい。そういう「自分との約束」を少しずつ増やしていくんです。そうすることで、「充実した人生=やり遂げた人生」になっていくんじゃないのかなぁと思います。「自分で決めたこと」をやれない人は、どこ行っても成功できないと思いますしね。


Q.なるほど。そうですよね。

「自分との約束」を守ることは「自己信頼」を創ることにもなりますしね。それがつまり、「自信」ですよね。もし、今「自分には何もない」と感じている方でも、「自分との約束」を守り続けていくことで、絶対変わっていくと思います。たとえそれが、人に自慢できるようなことじゃなくても、「自分はこれだけやってきたんだ」って想いが、支えになっていくはずです。


Q.ちなみに、南国超人さんの「自分との約束」は何ですか?

「家族を大切にする」です。すみません、格闘技と話がズレますね(笑)でも、これが自分のベースになっていて、練習方法とか、練習の後のこととか、多くのことに関係しています。「そのためにどうしたらいいか」って、いつも考えていますよ。もうとにかくいつも必死ですよ。「やること本気でやらないと無駄」だと思いますね。


Q.熱いですね〜ブログにも「120%で生きる」って書いてらっしゃいましたよね。

はい、座右の銘ですね。やっぱり、自分の限界を少し超えるところまで頑張ると、「その先」が見えてくるんですよね。だから「ここまでやろう」を超えること。それを大事にしています。


Q.最後になりましたが、南国超人さんにとっての「スポーツ(部活)」って何ですか?

自分を知れる機会かな、と思います。スポーツ頑張れば頑張るほど、自分と向き合えますよね。例えば、走るのがしんどいとか、どうしても上手くできないとか。で、そこを頑張ることで、改善できるのもスポーツのいいところかなと思います。今、自分を知らいない人って多いですよね。
だから、スポーツを通して、「自分を語れる」ってすごいことだと思うんです。今、大学でスポーツを続けている学生さんにも、部活を通して、どんどん自分を知っていってもらいたいですね。

<編集後記>

「好きなことで人生頑張りたい」
そう望む人は多いけれど、実現している人は少ない。南国超人さんは、貴重な「その1人」であると言えます。学生時代のプロデビュー。そして格闘技から少し離れての社会人生活。そして再デビュー。決して平坦ではなかったその中で、彼はいつも「今」に全力でぶつかっています。
「もっともっと強くなりたい」
「まだまだ強くなれる」
尽きることのないその想いに、まっすぐ突き進む南国超人さん。その裏には、応援してくれる周囲への感謝と、謙虚な姿勢がありました。彼のそういったパーソナリティーが、彼を応援したくなる大きな理由のひとつなのではないでしょうか。ありきたりな言葉になりますが、それは「人間力」その力が彼のレベルアップの源だと、感じました。スポーツを続けるみなさんも、これから社会に出るみなさんにも、彼の考え方、想いにぜひ触れてみてほしいと思います。あなたの人生にも役立つ何かを、見つけていただけるはずです。

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